クリスティアン・ベザイデンホウト 2015年来日スケジュール
12月12日(土) 14:00  西宮 兵庫県立芸術文化センター神戸女学院小ホール お申込みTEL:0798-68-0255 完売
12月13日(日) 14:00 名古屋  宗次ホール お問い合わせ: 052-265-1718  

12月15日(火) 19:00  東京 王子ホール お申込みTEL:03-3567-9990 完売
12月17日(木) 19:00  札幌 札幌コンサートホール小ホール お申込みTEL:011-520-1234
 



モーツァルト ピアノ協奏曲 第22番 フライブルク・バロック・オーケストラとの共演



 ◆ベザイデンホウトのプロモーションビデオの要訳
 
  Kristian Bezuidenhoutです。 
  今は、ここロンドンを生活の場とし、モーツァルトの鍵盤作品集の
Vol.4までレコーディングし終えたところです。 

ピアニストとして当然のごとく私もスタインウェイをニューヨークで学びました。ですが、気付いたのです! 2年目だったと思いますが、歴史的に富んだ鍵盤楽器が私にとって情熱的でより興味深く感じられました。それは、作曲家が作品を書き上げた当時を思い起こさせてくれます。
 そしてモーツァルトとの繋がり(出会い)によって私に何かが起こったのです。色々要因はありますが、一番影響を受けたのは映画「アマデウス」でした。多分9歳ころだったと思います。私はすっかり魅了され、その映画によって私の人生がすっかり変わってしまったといっても過言ではありません。いまでもその物語の細部まで良く覚えています。私にとって、それはとても鮮明なことでありました。というのも、私の両親はモーツァルトが大好きで、家はモーツァルトの音楽で溢れていました。幼いころから私はモーツァルトの曲に馴染み、マインドで理解するようになったのです。そして突然、発見したのです、全てを悟ったと。膨大なレコードコレクションを何度も聴き、弾くうちにわかったことです。

モーツァルトの楽曲を弾く時に感じるフラストレーション、それは現代楽器とのギャップです。スタインウェイなどの現代のピアノでの演奏は常に楽器との闘いです。若い演奏者がピアノを弾く時、「ここは、メッゾ・ピアノで!」「もっと優しく」「強く弾き過ぎないで」と気を使います。もちろん、間違っているとは言えません。でも、深い意志と確固たる考えをもっている演奏者が必ずしもスタインウェイでモーツァルトのメッゾ・ピアノを奏でることが出来るということではないのです。私は、信じがたいほどのドラマティックな音色をフォルテピアノに見出しました! フォルティッシモを弾いてもピアニッシモを弾いても楽器は強すぎず、弱すぎず、充分に適した良い状態で疾風怒涛、テンペストなどのフレーズをつかみ取り音楽を奏でる。これこそモーツァルトが望んでいたものだと確信しました。

私は常にモーツァルトに存在する強い理想を意識させられます。その理想とは、彼が持っていた修辞学的な眺望です。というのも、彼は鍵盤楽器の独り歩きを排除し、広い展望に導きました。彼独自の眺望そして劇場的、オペラのスタイルを持っているのです。 私はもちろんオペラと比較して、モーツァルトが作り上げたフィガロとスザンナのキャラクターがピアノソナタにあると言っているのではありません。モーツァルトの理想とするものが自然にすんなりと良いタイミングでどのオペラに現れているのです。

 トレーナーの中にはその様な解釈を受け入れるかどうかとの意見を持つ方もいるようですが、果たして受け入れるかどうかを考えることは必要なのでしょうか? 自由に自然に演奏するためには何が必要なのか、モーツァルトのスタイルを理解して伝えるために私には何が必要かを考えました。そしてその結果、18世紀まで遡ってモーツァルトのスタイルを理解することこそが私にその表現を許すのだと悟ったのです。

 モーツァルトはロマンティック過ぎるという批評家もいますが、私はその様な形式的な分け方はすべきでないと思います。ある人にとってのロマンスは他の人にとっては人生における修辞的なことであるかもしれず、結局は個々の主観によるものです。決してひとくくりにはできないと思います。

 素晴らしいロマンスというのは、ファンタジーでもあり、簡単な言葉では云い現わせられない調和のとれたもの、あるいはそれ以上のものだと思います。・・・様々な論議を呼ぶものですね・・・。

 


カーネギーホールのインタヴュー フォルテピアノのペダルの説明がわかりやすいです。



 ©Marco Borggreve
経歴   英国ヘラルド紙で「現代最高のフォルテピアノ奏者」と評される。2001年に、21歳でブリュージュ国際古楽コンクールの第1位と聴衆賞を獲得し、国際的に知られるようになった。

1979年ドイツ系オランダ人の両親のもと、南アフリカに生まれる。オーストラリアで勉強を始め、イーストマン音楽学校を最優秀の成績で卒業し、現在はロンドン在住。レベッカ・ペニーズにモダン・ピアノを習った後、アーサー・ハースにチェンバロ、マルコム・ビルソンにフォルテピアノ、ポール・オデットに通奏低音を師事。この間に、アメリカとヨーロッパでバロック・オペラ公演の通奏低音奏者としてかなりの経験を積む。

フライブルク・バロック・オーケストラ、シャンゼリゼ管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、コンチェルト・ケルン、ヨーロッパ室内管弦楽団とコレギウム・ヴォカーレ・ゲントといった世界の主要アンサンブルに頻繁にゲスト出演している。また、ヘレヴェッヘ、ブリュッヘン、ホグウッド、ウィスペルウェイ、ホープ、ケラス、ファウスト、ムローヴァ、サンプソン、パドモアなどの著名なアーティストと共演している。

現在は、協奏曲、リサイタル、室内楽公演に時間を割いており、バルセロナ、ボストン、ブリュージュ、インスブルック、サンクトペテルブルク、ヴェネツィア、ユトレヒトの古楽音楽祭や、ショパン・フェスティヴァル、ブレーメン音楽祭、タングルヴッド音楽祭、モーストリー・モーツァルト・フェスティヴァル、そしてベルリンとケルンのフィルハーモニー、シャンゼリゼ劇場、ウィーン・コンツェルトハウス、ウィグモアホール、カーネギー・ホールなどの世界的に知られるコンサートホールに出演している。

 2009年からは、ハルモニアムンディと長期的な録音関係をスタートさせ、ヴァイオリンのぺトラ・ミューレヤンスとのモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ集、モーツァルトの鍵盤音楽全集の第1(ディアパソン誌のDecouverte賞とセシリア賞を受賞)から第3集までを録音している。また、フライブルク・バロック・オーケストラとのメンデルスゾーンのピアノ協奏曲やテノールのマーク・パドモアとのシューマンの「詩人の恋」(エディソン賞受賞)がある。ヴァイオリンのヴィクトリア・ムローヴァとオニキス・レーベルに録音したベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ集は、ICMA2011年ベスト室内楽アルバム賞を受賞した。

 2012-13シーズンはフライブルク・バロック・オーケストラ、18世紀オーケストラ、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団、オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団などと演奏するほか、英国、ヨーロッパ、アメリカなどでリサイタルも予定されている。


アレグロミュージック WEBサイトへ戻る
 © Copyright Allegro Music Tokyo, Inc All rights reserved  無断転載、コピーを禁じます