◆ベザイデンホウトのプロモーションビデオの要訳
 
  Kristian Bezuidenhoutです。 
  今は、ここロンドンを生活の場とし、モーツァルトの鍵盤作品集の
Vol.4までレコーディングし終えたところです。 

ピアニストとして当然のごとく私もスタインウェイをニューヨークで学びました。ですが、気付いたのです! 2年目だったと思いますが、歴史的に富んだ鍵盤楽器が私にとって情熱的でより興味深く感じられました。それは、作曲家が作品を書き上げた当時を思い起こさせてくれます。
 そしてモーツァルトとの繋がり(出会い)によって私に何かが起こったのです。色々要因はありますが、一番影響を受けたのは映画「アマデウス」でした。多分9歳ころだったと思います。私はすっかり魅了され、その映画によって私の人生がすっかり変わってしまったといっても過言ではありません。いまでもその物語の細部まで良く覚えています。私にとって、それはとても鮮明なことでありました。というのも、私の両親はモーツァルトが大好きで、家はモーツァルトの音楽で溢れていました。幼いころから私はモーツァルトの曲に馴染み、マインドで理解するようになったのです。そして突然、発見したのです、全てを悟ったと。膨大なレコードコレクションを何度も聴き、弾くうちにわかったことです。

モーツァルトの楽曲を弾く時に感じるフラストレーション、それは現代楽器とのギャップです。スタインウェイなどの現代のピアノでの演奏は常に楽器との闘いです。若い演奏者がピアノを弾く時、「ここは、メッゾ・ピアノで!」「もっと優しく」「強く弾き過ぎないで」と気を使います。もちろん、間違っているとは言えません。でも、深い意志と確固たる考えをもっている演奏者が必ずしもスタインウェイでモーツァルトのメッゾ・ピアノを奏でることが出来るということではないのです。私は、信じがたいほどのドラマティックな音色をフォルテピアノに見出しました! フォルティッシモを弾いてもピアニッシモを弾いても楽器は強すぎず、弱すぎず、充分に適した良い状態で疾風怒涛、テンペストなどのフレーズをつかみ取り音楽を奏でる。これこそモーツァルトが望んでいたものだと確信しました。

私は常にモーツァルトに存在する強い理想を意識させられます。その理想とは、彼が持っていた修辞学的な眺望です。というのも、彼は鍵盤楽器の独り歩きを排除し、広い展望に導きました。彼独自の眺望そして劇場的、オペラのスタイルを持っているのです。 私はもちろんオペラと比較して、モーツァルトが作り上げたフィガロとスザンナのキャラクターがピアノソナタにあると言っているのではありません。モーツァルトの理想とするものが自然にすんなりと良いタイミングでどのオペラに現れているのです。

 トレーナーの中にはその様な解釈を受け入れるかどうかとの意見を持つ方もいるようですが、果たして受け入れるかどうかを考えることは必要なのでしょうか? 自由に自然に演奏するためには何が必要なのか、モーツァルトのスタイルを理解して伝えるために私には何が必要かを考えました。そしてその結果、18世紀まで遡ってモーツァルトのスタイルを理解することこそが私にその表現を許すのだと悟ったのです。

 モーツァルトはロマンティック過ぎるという批評家もいますが、私はその様な形式的な分け方はすべきでないと思います。ある人にとってのロマンスは他の人にとっては人生における修辞的なことであるかもしれず、結局は個々の主観によるものです。決してひとくくりにはできないと思います。

 素晴らしいロマンスというのは、ファンタジーでもあり、簡単な言葉では云い現わせられない調和のとれたもの、あるいはそれ以上のものだと思います。・・・様々な論議を呼ぶものですね・・・。

 


カーネギーホールのインタヴュー フォルテピアノのペダルの説明がわかりやすいです。



 ©Marco Borggreve
公演名 クリスティアン・ベザイデンホウト
フォルテピアノ・リサイタル

世界でいちばんモーツァルト。

──モーツァルト・フォルテピアノ・ファンタジー──
 
     
   
10/24(木) 津田ホール公演
 チラシ 表面と裏面
 
(クリックすると拡大します)
もうひとつのチラシ
  

日時  2013年 1024日(木) 午後 7時開演 (午後6時30分開場) 
会場
 
津田ホール
出演 クリスティアン・ベザイデンホウト(フォルテピアノ)
KRISTIAN BEZUIDENHOUT (FORTEPIANO)
 
曲目   

オール・モーツァルト・プログラム <All Mozart>

  ソナタ  第16(15)番 ハ長調 K.545「初心者のための」 
  Sonata in C major K.545 ‘Fur Anfanger’

  デュポールのメヌエットによる9 つの変奏曲ニ長調 K.573
  Variations on a Menuett by Duport in D major K.573

  ソナタ第18(17)番 ニ長調  K.576  Sonata in D major K.576

   ・・・Interval・・・

  独奏鍵盤楽器のための組曲ハ長調 K.399 より
          アルマンドとクーラント、サラバンドト短調 (補筆完成: ロバート・レヴィン)  
  Allemande, Courante from Suite for solo keyboard in C major K.399 , Sarabande in g minor    (completion: R.D.Levin)

  メヌエットニ長調 K.355   Meneutt in D major K.355
  ジグト長調 K.579  Gigue in G major K.579

  ソナタ第9(8)番 イ短調  K.310 Sonata in a minor K.310

 
   ・曲順、曲目は変更になる場合がございます。
 ・新モーツァルト全集のソナタ番号を使用、(  )内に旧来の番号を併記いたしました。

料金   全席指定  \6,000 ペア・シート\10,000  
  (消費税込。ペア・シートの取り扱いはアレグロミュージックのみ)
                            
お申込
お問合 
 
   TEL:03-5216-7131 アレグロミュージック
 

津田ホールチケットセンター(03)5355-1299/電子チケットぴあ(0570)02-9999/
東京文化会館チケットサービス(03)5685-0650


主催◆アレグロミュージック 協賛◆津田ホール
後援◆株式会社キングインターナショナル 
協力◆梅岡楽器サービス


公演
日程
 
 2013年
10月19日(土) 18:00  名古屋  宗次ホール Aプロ
  宗次ホールチケットセンター 052-265-1718 


10月21日(月) 19:00   厚木市文化会館小ホール Aプロ
  
チケット予約センター 046-224-9999

10月22日(火) 19:00  京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ Aプロ 
 エラート音楽事務所 075-751-0617

10月23日(水) 19:00   王子ホール Aプロ 03-3567-9990


10月24日(木) 19:00  津田ホール Bプロ  03-5216-7131   アレグロミュージック
    

■プログラムA
モーツァルト 
W.A.Mozart:
 ソナタ 第4番 変ホ長調 K.282  Sonata in E flat major K.282
 アダージョ ヘ長調 K.Anh.205 Adagio in F major K.Anh.205
 フランスの歌「ああ、お母さん聞いて」による12の変奏曲 ハ長調
        (
キラキラ星変奏曲) K.265  

 Variations in C major K.265 ‘Twinkle, Twinkle, Little Star’    
 ロンド イ短調 K.511 Rondo in a minor K.511
 ソナタ 第11番 イ長調 「トルコ行進曲つき」 K.331
 
Sonata in A major K.331 ‘Alla Turca’

  ■プログラムB
モーツァルト W.A.Mozart:
  ソナタ 第16(15)番 ハ長調「初心者のための」K.545   Sonata in C major K.545 ‘Für Anfänger’
  デュポールのメヌエットによる9 つの変奏曲ニ長調 K.573  Variations on a Menuett by Duport in D major K.573
  ソナタ 第18(17)番 ニ長調 K.576   Sonata in D major K.576   
   独奏鍵盤楽器のための組曲ハ長調 K.399 より
     アルマンドとクーラント、サラバンドト短調 (補筆完成: ロバート・レヴィン) 
  Allemande, Courante from Suite for solo keyboard in C major K.399 , Sarabande in g minor (completion: R.D.Levin)
  メヌエットニ長調 K.355   Meneutt in D major K.355
   ジグト長調 K.574 Gigue in G major K.574 
    ソナタ 第9(8)番 イ短調 K.310 Sonata in a minor K.310


・新モーツァルト全集のソナタ番号を使用、(  )内に旧来の番号を併記いたしました。


【使用楽器】フォルテピアノ Anton WALTERモデル(1800年頃)
【製作者】PAUL McNULTY(チェコ) 2002年作 Unequal temperament, A=430

経歴   英国ヘラルド紙で「現代最高のフォルテピアノ奏者」と評される。2001年に、21歳でブリュージュ国際古楽コンクールの第1位と聴衆賞を獲得し、国際的に知られるようになった。

1979年ドイツ系オランダ人の両親のもと、南アフリカに生まれる。オーストラリアで勉強を始め、イーストマン音楽学校を最優秀の成績で卒業し、現在はロンドン在住。レベッカ・ペニーズにモダン・ピアノを習った後、アーサー・ハースにチェンバロ、マルコム・ビルソンにフォルテピアノ、ポール・オデットに通奏低音を師事。この間に、アメリカとヨーロッパでバロック・オペラ公演の通奏低音奏者としてかなりの経験を積む。

フライブルク・バロック・オーケストラ、シャンゼリゼ管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、コンチェルト・ケルン、ヨーロッパ室内管弦楽団とコレギウム・ヴォカーレ・ゲントといった世界の主要アンサンブルに頻繁にゲスト出演している。また、ヘレヴェッヘ、ブリュッヘン、ホグウッド、ウィスペルウェイ、ホープ、ケラス、ファウスト、ムローヴァ、サンプソン、パドモアなどの著名なアーティストと共演している。

現在は、協奏曲、リサイタル、室内楽公演に時間を割いており、バルセロナ、ボストン、ブリュージュ、インスブルック、サンクトペテルブルク、ヴェネツィア、ユトレヒトの古楽音楽祭や、ショパン・フェスティヴァル、ブレーメン音楽祭、タングルヴッド音楽祭、モーストリー・モーツァルト・フェスティヴァル、そしてベルリンとケルンのフィルハーモニー、シャンゼリゼ劇場、ウィーン・コンツェルトハウス、ウィグモアホール、カーネギー・ホールなどの世界的に知られるコンサートホールに出演している。

 2009年からは、ハルモニアムンディと長期的な録音関係をスタートさせ、ヴァイオリンのぺトラ・ミューレヤンスとのモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ集、モーツァルトの鍵盤音楽全集の第1(ディアパソン誌のDecouverte賞とセシリア賞を受賞)から第3集までを録音している。また、フライブルク・バロック・オーケストラとのメンデルスゾーンのピアノ協奏曲やテノールのマーク・パドモアとのシューマンの「詩人の恋」(エディソン賞受賞)がある。ヴァイオリンのヴィクトリア・ムローヴァとオニキス・レーベルに録音したベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ集は、ICMA2011年ベスト室内楽アルバム賞を受賞した。

 2012-13シーズンはフライブルク・バロック・オーケストラ、18世紀オーケストラ、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団、オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団などと演奏するほか、英国、ヨーロッパ、アメリカなどでリサイタルも予定されている。


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