|
||||
2019年5月日本公演プログラム
ハイドン: ピアノ・ソナタ第49番 変ホ長調 XVI-49 ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第3番 ハ長調 Op.2-3
|
||||
巨匠が弾く、ハイドンの愛すべき2つの最高傑作のソナタと ベートーヴェンのソナタ第3番、ソナタ第21番「ワルトシュタイン」 2019年英国のグラモフォン誌のベートーヴェンのピアノ・ソナタ『ワルトシュタイン』名盤を紹介した記事で、シュナーベルやバックハウスなど歴代の名ピアニストと共に、選出されたのがブラウティハムのディスク。この記事をみると、彼がベートーヴェンの演奏において、存命している貴重なピアニストであることを再認識できる。 ブラウティハムはこれまでに、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンと、ウィーン古典派の3巨匠のピアノ作品をほぼすべて収録している。ケルン・アカデミー・オーケストラとのモーツァルトのピアノ協奏曲全曲録音も終えたばかり。とにかく徹底的に、古典派のピアノ作品を研究している。ハイドンでは、ピリオド楽器の特徴を活かし、繊細さとダイナミクスを鮮やかに弾き切る。またベートーヴェンのソナタは「モダン・ピアノでの演奏がスタイル変更に成り得る、模範的な演奏」とアメリカでも高く評価されており、モダン、古楽器という範疇を超えた演奏なのだ。 ベートーヴェンのソナタ全集のディスクでは、作品が作曲された年代ごとに、3台の異なるフォルテピアノを弾き分けている。それらの楽器を製作したのは、チェコ出身の製作家ポール・マクナルティである。マクナルティのフォルテピアノといえば、内田光子氏やベザイデンホウトなど第一線で活躍するピアニストたちも所有している現代の名工の楽器だ。 録音の際も、自宅でもマクナルティの楽器を愛奏しているブラウティハムは、その魅力についてこう語っている。「マクナルティの楽器は最高です。”博物館のレプリカ”というより、”魂”をもつ唯一のフォルテピアノです。私は彼の楽器が18世紀後半に生きたアントン・ヴァルターの精神を引き継ぐ唯一の楽器であると本当に信じています」。 今回の来日公演で使用される楽器も、マクナルティが2002年に製作した1800年頃のフォルテピアノをモデルにした楽器である。 |
||||
ロナルド・ブラウティハム≪ピアノ、フォルテピアノ奏者≫ Ronald Brautigam
– Piano, Fortepiano オランダでもっとも尊敬される演奏家のひとり。アムステルダムとロンドンでピアノを学び、アメリカでルドルフ・ゼルキンに師事。1984年オランダ政府より音楽分野でもっとも名誉あるオランダ・ミュージック・プライズを受賞。デュトワ、ハイティンク、ブリュッヘン、ヘレヴェッヘ、ホグウッドなどの著名な指揮者のもと、主要なヨーロッパのモダン、ピリオド両方のオーケストラと定期的に共演してきた。次第にフォルテピアノ演奏に情熱を傾けるようになる。 1995年からスウェーデンのBISレーベルと提携し、これまでにフォルテピアノでのモーツァルトとハイドン、ベートーヴェンのピアノ曲全集など60以上のタイトルをリリースしている。BIS以外にもデッカ・レーベルで、シャイー指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団とショスタコーヴィチ、ヒンデミットなどのピアノ協奏曲、パロット指揮ノールショピング交響楽団とのモダン・ピアノでのベートーヴェンの協奏曲シリーズなどの録音もある。これまでエディソン賞、ディアパソン・ドール賞、カンヌのMIDEMクラシカル・アワード2010など著名な賞を多数受賞している。 2009年からはウィレンス指揮ケルン・アカデミー・オーケストラとフォルテピアノによるモーツァルトのピアノ協奏曲全曲シリーズで、11枚のCDをリリース。 5年かけて3台のフォルテピアノを作品に応じて弾き分けたベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集(BIS SA2000/9枚組)が、2015年ドイツ・レコード批評家賞とエディソン賞をダブル受賞。最新ディスクは、1830年プレイエルの複製楽器を使用したメンデルスゾーンのピアノ協奏曲集(BIS-SACD-2264)。 現在、精力的に演奏活動を行なっているほか、バーゼル音楽大学の教授を務めている。 ♪ブラウティハム CD
|
||||
アレグロミュージック WEBサイトへ戻る © Copyright Allegro Music Tokyo, Inc. All rights reserved 無断転載、コピーを禁じます |